この度、一般社団法人日本産業機械工業会主催「第50回優秀環境装置表彰」におきまして、汚泥脱水機ヴァルートデュオ™が「日本産業機械工業会会長賞」を受賞いたしました。ヴァルートデュオ™は、当社が過去に開発したヴァルート™の技術を基盤としつつ、新たな特徴を備えた製品です。この受賞は、当社の革新的な汚泥脱水技術が環境保護の分野で認められたものです。
3月21日（金）、東京都港区の機械振興会館にて行われた表彰式では、主開発者が賞状と記念品を授与されました。
表彰式の様子
「優秀環境装置表彰」は、一般社団法人日本産業機械工業会が1974年度から主催し、経済産業省の後援のもと実施されている表彰事業です。優れた環境装置の研究・開発者や事業者を顕彰し、環境保全技術の研究・開発および環境装置の普及促進を目的としています。 表彰対象となるのは、大気汚染防止・水質汚濁防止、廃棄物処理、再資源化など環境負荷低減に貢献する装置です。選考は全国の環境装置メーカーやエンジニアリング会社からの応募をもとに、①独創性、②性能、③経済性、④将来性の4つの評価指標に基づいて行われます。書面評価を経た後、現地調査による実機評価が実施され、厳正な審査の結果、ヴァルートデュオが「日本産業機械工業会会長賞」を受賞しました。
汚泥脱水機は、排水処理の過程で発生する産業廃棄物「汚泥」から水分を絞り出し、汚泥の水分率を下げて産廃処分量を削減するための装置です。汚泥は産業廃棄物の中でも処理が難しく、環境負荷も大きいため、企業にとって大きな課題となっています。脱炭素経営や資源循環の重要性が高まる中、当社の汚泥脱水機は、低濃度汚泥にも対応可能な高い濾過能力と節水・省電力性により、こうした課題解決に貢献しています。
ヴァルートデュオは、従来モデルが抱えていた「消耗品交換コストが高い」、「経年劣化による脱水性能の減衰」、「繊維質や無機分の多い詰まりやすい汚泥への対応の難しさ」といった課題を克服するために開発されました。
従来モデルの「1本のシリンダーに1本のスクリュー」を通す構造から、「1本のシリンダーに2本のスクリュー」を通す構造へと進化させたヴァルートデュオは、以下のメリットを実現しています。
- 消耗部品コストの大幅削減
消耗部品を摩耗させる物理的接触をなくしたことで、部品の交換コストを従来モデル比約52%削減
- 長期に渡って脱水性能を維持
部品の消耗による脱水性能の減衰を最小にしたことで、長期間に渡り安定した脱水性能を発揮
- 幅広い汚泥種に対応が可能
繊維質や無機分の多い詰まりやすい汚泥でも安定した運用が可能
この技術革新により、ヴァルートデュオは2021年の発売以来、わずか3年間で国内外において20台の導入実績を達成しました。現在も毎月10件以上の引き合いをいただいており、2025年3月下旬から9月にかけては9台の納入を予定しています。こうした状況からも、ヴァルートデュオは国内外の市場において、さらなる導入拡大が見込まれており、新たな業種や施設への展開が期待されています。
多重板型スクリュープレス汚泥脱水機（ヴァルートデュオ）
産業廃棄物の約4割を占める汚泥は、多くの場合、最終的に埋め立てや焼却処分されます。汚泥の適切な減容は、環境保護・CO₂排出削減・持続可能な社会の実現に向けた重要な課題の一つです。
今回の受賞を励みに、当社は今後も汚泥処理の技術革新に挑戦し、より効率的かつ環境負荷の少ない汚泥脱水機の開発・普及に取り組んでまいります。
