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水質検査で漏水の水種を絞り込み、早期原因究明へ
水質検査・分析/各種環境分析

水質検査で漏水の水種を絞り込み、早期原因究明へ

東京都内マンション 様

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東京都内マンション 様

東京都内マンションの管理人様より、「台風の際に1階エントランスの自動扉前で漏水がひどく、1日で約2Lもの水が漏れています。漏水の原因が水道水なのか、生活排水なのか、あるいは雨水なのかを切り分けるための水質検査をお願いしたいと考えています」と、漏水検査のご相談をいただきました。

アムコンの解決策

エントランスという場所柄、雨水の可能性も考えられましたが、晴天時にも漏水が確認されていたため、通常漏水分析で行う検査項目に上水(水道水)ならではの特徴を示す「硬度」と「遊離残留塩素」を追加した検査項目をご提案し、分析を実施しました。

  • pH値
  • 塩化物イオン
  • 硝酸態窒素
  • 亜硝酸態窒素
  • 硫酸イオン
  • 陰イオン界面活性剤(洗剤の成分)
  • 大腸菌群数
  • 硬度
  • 遊離残留塩素

分析結果と推定

分析の結果、以下の理由から漏水は「上水(水道水)」であると推定されました。

  • pH値が弱アルカリ性であり、雨水のような酸性傾向が見られなかった
  • 調味料(塩分)や入浴剤などに由来する塩化物イオンの値が低く、キッチンや浴室からの排水の可能性は低い
  • 陰イオン界面活性剤が基準値以下で泡立ちもなく、洗剤成分の混入が見られなかったため、生活排水の可能性は低い
  • 大腸菌群数が不検出で、トイレなどの汚水の可能性も排除できた
  • 硫酸イオンの値が水道水の値の一般的な範囲内であった
  • 硬度が水道水の基準値内だった
  • 硝酸態窒素と亜硝酸窒素の値が高かったが、これは天井裏や配管の汚れによるものと考えられるため、水道水の可能性が高い

これらの結果を総合的に判断し、漏水の水は上水(水道水)である可能性が高いという結論に至りました。

お客様の対応と成果

分析結果をご報告後、管理人様は上水系統の配管に絞って調査を実施。工事会社様が壁や天井を開けて確認したところ、上水配管の一部に劣化・破損が見つかりました。管理人様からは、「漏水箇所を特定することができました。ありがとうございます。」とのお言葉をいただき、当社の分析が原因究明と修繕の迅速化に貢献できたことを実感しています。

漏水の原因が不明な場合でも、水質検査と分析によって水の種類を特定することで、調査対象の配管系統を絞ることが可能になります。これにより、不要な工事を避け、調査・修繕のコストや期間の削減に繋がるメリットがあります。

当社では今後も、環境・水質分析の専門技術を活かし、お客様の課題解決に貢献してまいります。

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