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水道水を汲んで何か入っていたら~異物検査とは~
水質分析/各種環境分析

水道水を汲んで何か入っていたら~異物検査とは~

2024.10.18

  • 異物検査(デジタルマイクロスコープ検査)

水道水は無色透明、固形物は入っていないもの。日本の水道水はそういうものですよね。
ですが、ごく稀に、水道水に異物が入ってしまうことがあります。
蛇口に汚れが付着していたことが原因であれば蛇口を掃除すれば良いのですが、蛇口の奥から、水道水と一緒に流れてくることがあります。近所の水道本管で工事をした、専有部の蛇口のパッキンが劣化した、建物の給水配管が劣化した、など原因は様々です。
もしコップに汲んだ水に何かが沈んでいたり、浮いているものがあったら不安ですし、嫌ですよね。5分程度水道水を流してみて出なくなれば問題ないのですが、流しても流しても出てくる場合は対処が必要です。対処方法を決めるためにも、何が出てきているのかを知ることは、有効な手段の一つと言えます。

異物検査とは

異物検査とは、食品や製品の中に混入した物について検査を行い、異物を推定することで混入に至った原因の解明につなげる検査です。
水中に出てきた異物についてのご相談が多く、「蛇口をひねると何かの粒が入っている・・・」「お風呂のお湯を溜めると何か浮遊物がある・・・」という声が寄せられます。
アムコンでは、検査目的や状況についてのヒアリングを行い、また場合によっては実際に異物を確認したうえで、以下の4つの試験から最適なものを選んでご提案します。

  • 外観観察試験
  • 燃焼試験
  • 定量試験
  • 成分分析試験

外観観察試験

外観観察試験は、キーエンス製の高性能デジタルマイクロスコープで異物の形状・色・質感といった肉眼では判別ができない情報を得るための試験です。デジタルマイクロスコープは、光学顕微鏡にはできなかった観察が可能です。

  • 凹凸や厚みのある異物の観察
  • 光を透過しない異物の観察
  • 基板などA4サイズ程度の大きな製品中の異物の観察
  • 真上からだけでなく角度を変えた異物の観察
  • 深度合成を使用した異物の観察(異物全体にピントを合わせることができます)

デジタルマイクロスコープで観察することで、同じように見える異物でも実際には異なった特徴があることが判明する場合もあります。

ゴム製品の外観観察試験

デジタルマイクロスコープで観察したゴム製品の破片です。
観察の結果、ゴム製品特有の光沢や切り口、劣化時に見られるヒビ割れが確認できます。

外観観察試験

鉄サビの外観観察試験

デジタルマイクロスコープで観察した鉄サビです。
デジタルマイクロスコープで深度合成を利用して撮影しました。観察の結果、鉄サビの中でも「赤サビ」特有の色とサビが成長したことで生じる凹凸や小さな穴が確認できます。

鉄サビの外観観察試験

燃焼試験

燃焼試験は、異物を高温で燃焼させて有機物と無機物の割合を算出する試験です。
プラスチックやゴムパッキン、垢などの有機物は燃やすと灰になります。しかし、ガラスや金属類、鉱石などの無機物は燃やしても灰にはなりません。その違いを利用して、異物を燃焼させた後の灰分量を測定して有機物と無機物の割合を算出します。

外観観察試験で確実ではない推定結果をより確かにしたいときに行い、燃焼前の異物を100%として、“無機物□%、有機物△%”という内容で報告します。

定量試験

定量試験とは、燃焼試験で有機物と無機物の割合を確認した後に、さらに成分量について調べたいときに行います。
例えば、異物の燃焼試験により無機物の割合が高いという結果が得られた場合、鉄や銅など特定の金属成分がどの程度含有しているのかを分析することで、より確実な推定結果を導くことができます。金属成分の定量の他にも、異物発生状況により砂やガラスの成分である全シリカの定量を行う場合もあります。

成分分析試験

成分分析試験とは、異物の成分情報を取得する試験です。
異物の燃焼試験の結果から無機物主体であると推定される場合は、電子線マイクロアナライザーで主要の構成元素の分析を行い、有機物主体であると推定される場合は、赤外分光分析で成分情報を取得することができます。
例えば、蛇口からでた異物が外観試験や燃焼試験の結果からパッキンではないかと推測された時、より確実な結果が欲しい場合は、赤外分光分析を行います。
この分析を行うことで、異物と実際にその蛇口に使用しているパッキンの成分情報を比較し、どの程度成分情報が一致しているかの確認ができます。

検査目的や状況についてのヒアリングを行い、また場合によっては実際に異物を確認したうえで、上記4つの試験から最適なものを選んでご提案します。
是非お気軽にご相談ください。

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