お役立ち情報
汚泥脱水機のメンテナンスは機械を長持ちさせるための重要なポイント
汚泥処理関連装置/水処理用薬品

汚泥脱水機のメンテナンスは機械を長持ちさせるための重要なポイント

2024.09.05

  • 汚泥脱水機
  • メンテナンス

汚泥脱水機のメンテナンスはどのくらいの頻度でどのような方法で行っていますか。メンテナンスは汚泥脱水機の寿命を保つために大切です。メンテンンスを行わず長年使用すると、汚泥脱水機の性能が衰えてきます。そんな重要なメンテナンスの頻度や項目などを詳しく解説します。

汚泥脱水機のメンテナンスが重要な理由

汚泥脱水機は、下水処理場や各種工場の排水処理設備などで発生する汚泥を脱水し、汚泥の嵩を減らすことで、産業廃棄物を減らす役割があります。

定期的なメンテナンスのメリット

定期的にメンテナンスを行うことで、汚泥脱水機の脱水性能が維持され、機器を長く使用することができます。
また、日常的な清掃と計画的な点検により、突発的な故障のリスクを低減することができます。

メリット詳細
効率的な脱水処理    汚泥脱水機の効率的な動作により、脱水の処理能力と品質を維持します。
安定した排水処理未然に故障を防ぐことで、突発的な故障による機器の停止を防ぎ、安定した排水処理を行います。

汚泥脱水機の耐用年数は?

汚泥脱水機の耐用年数は、適切なメンテナンスを行うかどうかに大きく影響されます。
一般的に、汚泥脱水機の耐用年数は10年から15年とされていますが、実際の使用環境や運転状況により変動することがあります。
アムコンでは、メンテナンスを適切に行いながら、25年以上汚泥脱水機ヴァルート™を使用してくださっているお客様もいらっしゃいます。

環境条件による影響

汚泥脱水機が設置されている環境は、耐用年数に直接影響を与えます。例えば、腐食性ガスが発生する環境や直射日光が当たる環境では、部品の劣化が早く進む可能性があります。

運転条件と頻度

汚泥脱水機の運転頻度や負荷も耐用年数に大きく影響します。高負荷での連続運転が求められる場合、特に注意が必要です。

耐用年数を延ばすための具体的な対策

耐用年数を延ばすためには、以下の対策が有効です。

定期的なチェックと早期の問題発見

計画的な点検を実施することで、大きな故障や処理能力の急激な減衰を未然に防ぐことができます。

適切な部品交換

摩耗や劣化の進んだ部品は早めに交換し、新品に取り替えることで機械の性能を新品同様に保ちます。

運転条件の見直し

必要に応じて運転条件や負荷の見直しを行い、最適な運転状態を保つことで、汚泥脱水機の性能を最大限に引き出すことができます。

メンテナンス頻度とタイミング

汚泥脱水機の状態を常に良好に保つためには、定期的な点検と清掃が必要です。
ここでは、汚泥脱水機ヴァルート™のメンテナンスについてご紹介します。

日常メンテナンスの方法

  • 目視点検: 主に機械の外観や動作状況を確認します。
  • シリンダーユニットの確認:シリンダーユニットは、汚泥を脱水している部分です。 正常に動作しているかどうか、異音がないかを確認します。
  • 各タンクの清掃: 汚泥の堆積やゴミがたまっている場合は清掃します。
    ゴミが溜まっていると、給泥量がきちんと測れなくなったり、汚泥の水位が誤って認識されたりします。
  • 背圧板:適正な隙間に設定されていて、脱水ケーキが正常に排出されているか確認します。上記項目が問題ないにも関わらず脱水性(含水率)が悪い、処理量が以前よりも減っているなどの場合は、シリンダーユニットの可動リング(固定していないリング)が消耗し交換が必要な可能性があります。
  • 薬品補充: 薬液装置を使用している場合は、薬品タンクの残量をチェックし、必要に応じて補充します。

月次メンテナンスの方法

1か月に1度程度で点検を行うのがおすすめです。

  • シリンダーユニットの動作確認: 
    積層しているリングの中で、可動リングがスクリューの回転に合わせて上下に動くことが確認できますが、運転し続けると徐々に動きが目視できなくなります。これは可動リングの内径、もしくはスクリューの外径の摩耗から起こる現象です。汚泥の処理量が減り、脱水ケーキが緩く(含水率が悪く)なりますので、可動リングまたはスクリューの交換が必要です。

  可動リングやスクリューなど消耗部品同士が接触せず、交換部品コストを大幅に低減できる汚泥脱
  水機がヴァルートデュオ™です。長期に渡り高い脱水性能を維持します。

  ヴァルートデュオ™の詳細はこちら⇒

  • リーク汚泥の確認: 
    正常時の運転でもリング間のギャップから汚泥は漏れますが、試運転時と比べて大量に汚泥が漏れている場合は、下記の確認が必要です。
  1. 汚泥の凝集
    凝集したフロックの大きさはパチンコ玉サイズが理想です。脱水に適したフロックができているか、確認してください。
  2. 給泥量
    付属の調整ハンドルを使用し、水位調整管で凝集混和タンクの電極にかからない給泥量に調整してください。

年次メンテナンス

年次メンテナンスでは、より詳細で大規模な運転調整や分解、修理を行う機会として非常に重要です。通常はメーカーによるオーバーホールを依頼することが推奨されます。

  • 総合的な動作確認: 全ての機能が正常に動作しているかどうかを確認します。
  • 重要部品の交換: 機器の重要部品の状態を確認し、必要に応じて交換します。
  • メーカーによるオーバーホール: メーカーによる分解点検と、必要な修理を受けます。

アムコンで行う有償の定期点検サービスでは、各部動作点検、消耗部品点検、モータ、ポンプ等の電動機の点検、処理量・含水率・回収率などの性能診断、運転調整を行います。日常/月次メンテナンスで、少しでも「あれ?」と感じたら、当社の技術サービスグループまでご相談ください。

ご相談・お問合せはこちら⇒

まとめ

今回の記事では汚泥脱水機のメンテナンスについて解説しました。
汚泥脱水機の長寿命と高性能を保つためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。日常的な目視点検や洗浄はもちろんのこと、月次、年次の計画的なメンテナンスが機器の劣化を防ぎます。
今回の記事を参考に汚泥脱水機のメンテンナンスを見直してみてはいかがでしょうか。

関連製品/サービス/検査メニュー